評価制度を作り直すときによくある3つの失敗パターン
人事評価制度を見直したいというご相談は、毎年一定数あります。多くの場合、「制度が機能していない」というのが出発点です。新しい制度を作ることは比較的できますが、それを運用として定着させることの方がはるかに難しい。この記事では、制度設計でよく見られる失敗のパターンを3つ取り上げます。
失敗パターン1:評価項目が多すぎる
評価制度を作るとき、「漏れなく評価したい」という気持ちから、評価項目が増えていくことがあります。20項目、30項目と増えた制度は、評価者にとっても被評価者にとっても負担が大きく、形式的に記入されるだけになりがちです。
評価項目は、その会社が本当に大切にしていることを5〜8項目に絞る方が、実態に即した評価につながります。項目を絞ることへの抵抗感は理解できますが、多ければ公平というわけではありません。
失敗パターン2:管理職が評価の基準を共有していない
制度を作っても、評価者である管理職が「何をもって高い評価とするか」を共有していなければ、評価のばらつきが大きくなります。同じ行動をしても、上司によって評価が変わる状態は、従業員の不信感につながります。
評価制度の導入と同時に、管理職向けの評価者訓練を行うことが必要です。訓練といっても大がかりなものでなくてよく、実際の評価事例をもとに話し合う場を設けるだけでも効果があります。
失敗パターン3:制度と報酬の連動が不透明
評価結果がどのように報酬に反映されるかが明確でないと、評価制度への信頼が生まれません。「評価は上がったが、給与は変わらなかった」という経験を持つ従業員が増えると、制度への関与が形式的になります。
評価と報酬の連動ルールを、できる限り具体的に示すことが重要です。完全な透明性が難しい場合でも、「どの等級になると、報酬がどの範囲になるか」という目安を示すだけで、制度への納得感が変わります。
評価制度の見直しを検討している場合、まず現行制度の運用実態を確認することをお勧めします。制度の設計図と、実際に行われている評価の間にあるギャップが、問題の本質であることが多いためです。